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サケが産まれてから、産まれた川に帰るまで

日本系サケは春に川で卵からかえる早い段階で海に下り、まずオホーツク海を目指します①。その後、ベーリング海に向かって北上し②、夏と冬にベーリング海③とアラスカ湾④を行き来しながら数年かけて成長して、最終的(多くは4年後)に産まれた河川へ帰ってくるとされています。

なぜ日本系サケの多くが日本近海にとどまらず、日本から3, 000 kmも離れたベーリング海まで泳いで行くのでしょうか?

ベーリング海大陸棚付近は、アラスカの大自然(火山、氷河、フィヨルド、森林、河川)のお陰で、植物性プランクトンや海藻などの植物体をつくるのに必要な栄養塩類が豊富で、生物生産が非常に盛んな場所となっています。

サケはこのベーリング海大陸棚付近で、甲殻類(オキアミ)などの餌をたくさん食べて成長し、最終的に性成熟することで海での回遊を終えて母川、自分の産まれた川へ帰ります。4年をかけた生き物の壮大なドラマですね。

ちなみに、サケは本来白身の魚ですが、甲殻類(オキアミ)に含まれる、カロテノイド系色素のアスタキサンチンにより身が赤くなり、その栄養を使い続けることで、本来の白身へと変化していきます。

参考文献:研究開発情報「SALMON情報」No.15

国立研究開発法人水産研究・教育機構 北海道区水産研究所
研究開発情報「SALMON情報」

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